日本人弁護士(日本・香港・NY州)による国際相続・海外企業法務

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日本人弁護士(日本・香港・NY州)による
香港財産相続・海外企業法務
香港(永住権保有)在住・日本人弁護士による国際企業法務・相続・資産管理

香港で、日本人・日本企業が関係する国際企業法務・国際取引契約・国際相続・海外資産管理の実績(全国対応)を多数有する弁護士の絹川恭久です。

日本、NY州及び香港3つの法曹資格を持ち、日本(15年以上)と香港(5年以上)でそれぞれ実務経験を持っております。
国際相続の極意

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国際相続の極意contents-inheritance

⑭相続人の中に未成年者がいる場合の海外相続

更新日:2020.6.24

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成人年齢は日本20歳⇒18歳、香港は18歳

日本では2022年4月1日から民法が改正され、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられます(リンク)。

香港では、もとより成人年齢は18歳とされております。

さて、日本人の相続財産が香港にある場合、プロベートが必要になります。
プロベートでは『相続財産管理(Administration)』をする人格代表者(あるいは相続財産管理人)と誰になるかが問題となります(テーマ⑩参照)。

相続人の中に未成年者がいる場合、通常のプロベートと何か違いがあるのでしょうか?

まず、香港のプロベート手続きでぼ『未成年者』とは、
日本の法律による未成年者(2022年までは20歳)と、
香港の法律による未成年者(18歳)、のどちらなのでしょうか?

本拠地(ドミサイル)のある場所の法律が適用される

結論から言いますと、香港のプロベート手続きでは、
亡くなった方の本拠地(ドミサイル)が日本にある場合テーマ⑬参照)には、『日本の法律による未成年者、つまり(2022年までは)20歳未満かどうか』で未成年者が判断されます。

本拠地(ドミサイル)が香港にある場合は、『香港の法律による未成年者、18歳かどうか』が判断基準です。

梓川(上高地、長野県)
梓川(上高地、長野県)

相続人の中に未成年者がいると、プロベート手続が若干難しくなる

香港のプロベートでは相続人の中に未成年者がいた場合、人格代表者の選択が若干面倒になります。

どういうことかというと、相続人の中に未成年者が一人でもいると、2名以上の人格代表者がプロベート申立てにしなければならない、ということです。

たとえば、夫が遺言を残さずに亡くなった場合、相続人に妻と未成年の子供がいるとします。
妻がプロベートを申立てて人格代表者(遺産管理人)になろうとしても、妻単独では申立できません

これは、未成年の子供にも相続財産に関する利益を持っていますが、妻単独で遺産管理人となると利益相反になってしまうためです。
利益相反を防ぐため、妻とは別の者も申立人に加えなければならないのです。

未成年者の相続人がいる場合、単独の遺産管理人(妻)が自分の利益ばかり優先しないよう、複数の遺産管理人を選任してけん制させるのです。

妻の親(子供の祖父母)などに関与してもらうことで解決する

このような場合、実際には、相続人以外の大人、例えば未成年の子供にとっての祖父や祖母、おじ、おばなどを、追加の人格代表者にします。
これら親族の誰かが、『妻と一緒に』共同遺産管理人(Joint Administrator)としてプロベートに参加しなければなりません。

そもそも遺産管理人は、相続財産についてかなり強い権利を行使できます。
妻単独で遺産管理人にはなれず、誰かほかの共同遺産管理人と協同でなければ権限を行使できなくすることで、妻の自分勝手な財産の分配を予防するのだと考えられます。

日本の相続手続きでも、相続人の中に未成年者がいる場合、家庭裁判所で未成年者の『特別代理人』を選任しなければ遺産分割協議書が作れません。
これは相続人でもある母親が、遺産分割で自分勝手に子供の財産内容などを決められないようにしておく趣旨だと思われます。香港もこれと同様の考えをしているのです。

子供が二人以上いても、共同遺産管理人は1名でいい

もっとも、未成年の相続人が二人以上いる場合でも、それぞれに遺産管理人が必要なわけではありません。
子供が2人いようと3人いようと、妻と祖母が2人共同で遺産管理人となれば十分です。
未成年者の人数にかかわらず、妻以外にもう一人の共同遺産管理人がいればいいのです。

共同で遺産管理人となる方には、公証人役場に行って二人同時に英文の書類に署名してもらう必要があります。
したがって、なるべく妻と一緒に相続手続きに協力できる方を見つけることが必要です。
その意味では、妻の母親(すなわち子供たちの祖母)などが一番適しています。

親族の中にそのような方がいない場合、いるにはいても遠くに住んでいる場合、申立が非常に面倒になります。
そのような場合、やむをえず親族ではない親しい知り合いの方に頼むこともあります。  

以上のとおり、香港財産を残して亡くなった方の相続人に未成年者がいる場合
香港のプロベートをするためには複数の遺産管理人がプロベートの申立てをしなければならない
ということに注意してください。

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