②海外から日本への故人のご遺体・お骨の輸送手配
更新日:2020.6.24
テーマ①では、日本人が海外で亡くなった場合の遺族の対応方法(死亡証明書など)について説明しました。
もしも海外で亡くなった故人のご遺体(お骨)を日本に持ち帰ってお墓に入れたい場合、ご遺体(お骨)を海外から日本に輸送しなければなりません。今回はこの点について説明します。
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目次
故人を日本で葬るのか、海外で葬るのかをまず決める
日本と違って海外では、火葬ではなく土葬が一般的な国(キリスト教、イスラム教)もあり、亡くなった方のご遺体の埋葬方法も国や宗教によって異なります。
日本人が海外で亡くなると、ご遺体の埋葬については、日本の墓埋法に相当する現地の法律に従う必要があります。
海外現地でのご遺体の取扱い方法(手続きや法律)については、現地の在外公館を頼るといいでしょう。
但し、在外公館に相談する前につぎのいずれにするか決めておく必要があります。
- 海外現地で火葬して、お骨のみを日本に持ち帰って埋葬したい
- 故人のご遺体をそのまま日本に持ち帰って日本で火葬・埋葬したい
- 或いは現地で火葬・土葬等して埋葬したい
当然ですが、3(現地で埋葬)の場合は輸送の必要はありません。
持ち帰るなら現地で火葬しお骨で持ち帰る方が容易
まず、1.現地で火葬してお骨で日本に持ち帰る場合、海外現地の葬儀業者等に依頼して火葬しなければなりません。
持ち帰ったお骨を日本で適切に埋葬するためには、海外現地の『死亡証明書』のほかに、『火葬証明書』『遺骨証明書』などを取得しておかねばなりません。
ここでは詳しく書きませんが、日本で帰国後どういった書類が必要になるかは、必ずあらかじめ在外公館か日本の市区町村役場に確認しておきましょう。日本の葬儀業者に聞いてもいいかもしれません。
海外現地で取得しておくべき書類をもれなく取っておくためです。
お骨の日本への持ち帰り方法については、各航空会社の規定にもよりますがお骨の状態であれば基本的に航空便で手荷物として機内に持ち込めます。
お骨で持ち帰った後に故人とのお別れ会・お葬式やお墓への埋葬を行います。
次に②現地で火葬せずに日本にご遺体のままの状態で持ち帰る場合、基本的には航空貨物として運びます。
ご遺体なので、腐敗しないよう現地で防腐処置(エンバーミング)を行った上で、航空会社の指定する方法に従って搬送しなければなりません。
さらに日本の空港に着いた後、空港から安置所、葬儀所、火葬場までの霊柩車搬送などの配送手段も手配しなければなりません。
日本にご遺体のまま持ち帰ると相当な費用がかかる
ご遺体の状態での持ち帰りの場合、こういった手配も多数あることから、日本まで輸送すると合計百万円以上と相当な費用がかかるようです。
自分での各種手配が難しければ、ご遺体・お骨を輸送するサービスを提供している会社もあります。
「海外 日本人 死亡 遺体 輸送」などといったキーワードで検索すればいくつかの日本の業者が見つかります。
故人をご遺体のまま日本に運んだ場合、日本に運び込んだ後の火葬や葬儀の手続きについては日本で亡くなった方と場合と同様です。
葬儀・火葬・埋葬等の一連の手続きについては葬儀業者又は寺院の住職さんなどにご相談の上で進めましょう。
以上が海外現地でのご遺体の処置、日本へのご遺体・お骨の輸送についてのお話です。次回は、『日本の死亡届』提出などの手続きについてお話しします。
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